筝曲「六段」とグレゴリア聖歌

 今朝のテレビ「題名のない音楽会」で、皆川達夫先生が出演されていて、『筝曲「六段」とグレゴリア聖歌「クレド(信仰)の関係』について話していらっしゃいました。
 「六段」は作曲者は一応、八橋検校とされているけれど、実ははっきりしない、筝曲はほとんどが弾き歌いになっているけれど、「六段」は珍しく歌がない、などの理由から、キリシタン弾圧から逃れるための、ちょうどマリア観音のようなもので、曲の中にキリスト教への信仰の思いを隠したものである、というようなお話でした。クレドの合唱と、筝での「六段」の演奏を重ねて、同時に演奏されたのですが、驚くほど、同じ音楽の進行でした。
 生月島の「おらしょ」、これももとはオラツィオ(祈祷)からきている言葉だし、大村市の本教寺さんにある、キリシタン大名であった大村家のお墓に、すぐにそれとは分からないような形で、十字架の形が石に彫ってあったり、というようなものと同じなのだろうと考えさせられました。
 信仰の力とは強いものです。そして、「六段」が名曲であることに変わりはありません。グレゴリオ聖歌との関係を知らない時も、筝の独奏を聴くと、強く心に伝わってくるものがありました。




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